ステンレス製の浴槽は耐久性が高く、人気の浴槽です。
しかし、長く使い続けるうちにある程度の劣化は起こり、補修や交換といった対応は必要になってきます。
ステンレス浴槽に硬いものを落として傷をつけてしまったり、落ちない汚れが残ってしまったりで、補修を検討している人も多いでしょう。
今回は、ステンレス製の浴槽が劣化した際の特徴や、塗装により補修する際の注意点、そしてステンレス製の浴槽を塗装するメリット・デメリットや費用目安などについて解説します。
目次
ステンレス浴槽が劣化した際の症状は?
ステンレス製の浴槽は、一部ユニットバスにも採用されていますが、在来工法の浴室の浴槽によく見られます。
ひと口にステンレス製の浴槽と言ってもさまざまなタイプがあり、なかには塗装加工されている浴槽もあります。
長く使い続けていると、ステンレス浴槽の塗装が剥がれてくることがあります。
また、長年使用していれば、小さなキズやヘコミなども発生しますし、汚れなども目立ってきます。
さらに、錆びにくいと言われるステンレスですが、まったく錆びないわけではありません。
利用の仕方や時間の経過によって、ステンレス浴槽の表面に、サビが出てきてしまうこともあるのです。
以下のような症状があれば、塗装による補修を検討しても良さそうです。
症状①塗装の剥がれ
ステンレス浴槽の塗装部分が剥がれる原因の一つとして、ステンレス自体の塗装が難しいことが挙げられます。
もともと塗装が難しい素材ですから、高い技術をもって塗装したとしても、ある程度の年月が経過すれば耐久性が劣り、剥がれてきてしまうこともあるのです。
塗装が剥がれれば、ステンレス特有の質感が部分的にむき出しになってしまいますので、見栄えとしてはあまりよくありません。
剥がれたところから、さらに塗装の剥離が進行してしまうということもありますので、早めに対処したいものです。
症状②傷や汚れが目立つ
いくら耐久性の高いステンレスとはいえ、何十年も使い込んでいれば、微細な傷や、落ちなくなった汚れなども目立つようになります。
硬いたわしで大きな傷をつけてしまったり、水垢がついたまま取れなくなってしまったり、と間違ったメンテナンスでトラブルが発生しやすいのも、ステンレス浴槽の特徴です。
一つひとつの傷や汚れはたいしたものでなかったとしても、長い年月をかけて溜まっていけば、ある程度目立ってきてしまいます。
気づかないうちに蓄積された多数の傷や汚れが目立ったときも、浴槽塗装のサインと捉えられるでしょう。
症状③錆が出てくる
ステンレスは錆びにくい素材ではありますが、まったく錆びないものではありません。
ステンレスの表面についてしまった錆であれば簡単に落とすことができますが、簡単に落とせるからと言ってメンテナンスを後回しにしてしまうと、きれいに落とせなくなってしまいます。
ステンレス浴槽の錆があまりにも目立ってしまっているのであれば、塗装するサインと捉えても良さそうです。
症状④へこみができる
ステンレス浴槽の厄介な特徴の一つとして、材質が薄く作られているというものがあります。
清掃の際に誤って掃除道具を落とすなどして衝撃を与えると、簡単に凹んでしまいます。
ステンレス浴槽の凹みを放っておくと、そこから塗装が剥がれることもあります。
こうした劣化症状が見られたら、浴槽の補修を検討するのがおすすめです。
ステンレス浴槽を塗装する際の注意点
浴槽の塗装にはそもそも高い技術が必要となりますが、加えてステンレス素材の浴槽になると、さらに高度な技術が求められます。
ステンレス浴槽の特徴などをしっかりと把握し、適切な業者に依頼するように心がけましょう。
注意点①塗装が剥がれやすい
ステンレス浴槽のなかでも、カラーステンレス浴槽と呼ばれるものは、表面に焼き付け塗装を施したステンレス浴槽です。
カラーステンレスの耐久年数はおおむね10年から25年程度となっており、これを超過した浴槽は、いつ塗膜が剥がれてきてもおかしくない状態になっているかもしれません。
カラーステンレスの塗装が剥がれたら、再塗装をして補修するのが一般的です。
ステンレスは、材質上塗膜が剥がれやすいものだということを、しっかり認識しておきましょう。
注意点②個人での対応は控えたほうがよい
浴槽は非常に塗装するのが難しいアイテムです。
ステンレス以外の素材であっても、浴槽を塗装するうえでは、高い技術が必要とされます。
さらに、ステンレスは数ある材質の浴槽のなかでも、特に塗装が難しいとされています。
他の素材の浴槽は塗装できても、ステンレス素材の浴槽は塗装できないという業者も存在するほどです。
そのため、ステンレス浴槽の塗装は、対応してくれる業者を探すのも大変になります。
業者が見つからないからと、特に難易度の高いステンレス浴槽の塗装を個人で手がけてしまうことはおすすめできません。
塗装に対応している業者が見つからないのであれば、浴槽の入れ替えなど他のリフォーム方法を検討するというのも一つの手段です。
ステンレス浴槽を塗装する際の費用
ステンレス浴槽を塗装する場合、面積や劣化状態にもよりますが、だいたい15万円から25万円程度の費用が必要となります。
浴槽の状態によっては下地補修も必要なので、さらに追加費用が必要になるケースもあります。
浴槽ごと交換する場合、安価に済めば 15万円程度ですが、場合によっては250万円ほどが必要になることもあります。
塗装と交換のどちらが良いのかは、慎重に検討しましょう。
ステンレス浴槽のメリット・デメリット
扱いが難しい素材ではありますが、ステンレスには魅力的な部分も豊富にあります。
ステンレス浴槽のメリット・デメリットを同時に見ていきましょう。
ステンレス浴槽のメリット
ステンレス浴槽の大きなメリットとしては、よくあるFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)素材の浴槽と比較して、変色やひび割れのトラブルが少ないという点が挙げられます。
ステンレス浴槽は錆がつきにくく、多少錆がついたとしても、簡単に落とすことができます。
錆以外の汚れも付きにくく、清掃しやすいことから、ステンレス浴槽はきれいな状態をキープしやすいと言えるでしょう。
さらに、ステンレス浴槽は保温性が高いのも魅力です。
冬の寒い時期でも、浴槽のお湯が長い時間暖かく保たれるという嬉しいメリットもあるのです。
ステンレス浴槽のデメリット
汚れに強いステンレスですが、傷がつきやすいというデメリットがあります。
硬いたわしなどで強くこすってしまうと、小さな傷が浴槽の表面に多数ついてしまいます。
また、ステンレス浴槽は重量がかさむため、比較的サイズが小さいものが多くなっています。
大きな浴槽を求める人には向かず、これもステンレス浴槽のデメリットとして挙げられます。
近年では軽量のステンレス浴槽も増えましたが、それでも重たいものが多いため、アパートやマンションなどで高い階層に住んでいる場合には、導入が難しいというケースもあります。
ステンレス浴槽の塗装なら高い技術をもった業者へ
耐久性の高いステンレス浴槽ですが、10年、20年と使い続けていれば、当然劣化も目立ってきます。
浴槽ごと交換してしまうのも確かに一つの手段ですが、別の素材の浴槽に交換してしまうと、ステンレスが持つ保温性の高さや、清掃のしやすさといったメリットを享受できなくなってしまうこともあるでしょう。
入れ替えなくても新品同様のきれいな状態を取り戻し、廃材を出さず環境にも優しい、塗装による補修を検討してみても良いのではないでしょうか。
バスシステムデザイン研究所の浴槽塗装は施工実績も豊富です。
施工事例も公開していますので、ぜひご検討ください。