経年劣化などにより古くなってきてしまった浴槽の補修、リフォームまではいかなくても何とかしたいものです。
再塗装やコーティングを自分で実施しようとする方は多いようですが、どちらも技術が必要です。
種類もしっかり把握し、自宅の浴槽にはどんな塗装が必要なのか把握しましょう。
目次
浴槽のコーティングとは
同じ浴槽を塗るという作業でも、色付きの塗料で傷を補修しながら綺麗にするのか、汚れに強い透明な塗料でガードするのかで作業工程も必要な塗料も変わってきます。
塗装と聞くと色を変えたり、新品のようになったり、綺麗な仕上がりになるのをイメージしやすいですが、汚れなどから守る場合は透明な塗料を使っているので、見た目や仕上がりの変化は特にありません。
こうした違いはあるものの、どちらも浴槽を清潔にするという目的は同じです。
浴槽のコーティングの種類
浴槽を綺麗にするための浴槽塗装やコーティングですが、補修なのか保護なのか目的によって呼び方や工程、使う塗料、仕上がりがそれぞれ異なります。
種類①浴槽を再生させるためのコーティング
経年劣化などにより、浴槽の状態が悪くなってしまっているものをきれいに再生させる方法です。
使われる塗料は主にアクリルウレタン樹脂系の塗料で、色がついているものです。
透明なもので上から被せるのではなく、別の色に塗り替え、劣化を補修し綺麗にするだけではなく気分転換もできます。
工事も2日ほどで終わるので、ちょっとした模様替え気分でカラーチェンジができます。
種類②浴槽を保護するためのコーティング
続いては、浴槽の保護を目的とした保護コーティングです。
設置したばかりの新しい浴槽を、水垢やカビ、傷などから守るために実施されます。
使用されるのは透明なフッ素系樹脂塗料やシリコン系塗料、ガラス系塗料となります。
透明なので見た目ではさほど変化はないものの、清掃すると汚れが簡単に落ちたり、水垢やカビが付きにくくなっていたりと使用感に変化があります。
ここでのデメリットは、その塗装による保護効果は永久的なものではないということです。
2年から5年程度は汚れにくい状態が続きますが、徐々にその効果は薄れてしまいますので、いつまでも効果を得ていたいのなら、定期的に塗りなおしましょう。
ただし、上塗りができないコーティング剤もあるので、塗り替えが可能かどうか事前に確認しておくことをお勧めします。
浴槽コーティングの塗料の種類
再生用は色付き、保護用は透明と塗料にも違いがありますが、保護用はさらに3種類の塗料が存在しています。
塗料によって特徴や価格が異なりますので、それぞれの特徴を把握し、どれを取り入れるか検討しましょう。
塗料①フッ素系樹脂
透明で保護コーティングなどに使われるフッ素系の樹脂は、比較的一般的な塗料です。
フライパンのフッ素加工と同じものです。
価格も比較的安価で済むので取り扱っている業者も多いのですが、効果が持続する期間は3ヶ月から2年程度と比較的短いのがデメリットです。
塗料②シリコン系樹脂
フッ素系樹脂よりも価格は高額になりますが、持続期間が長いのがこのシリコン系樹脂です。
ある程度の硬度がある関係で、浴槽に傷がつきにくくなり、汚れやカビ以外にも傷からも浴槽を守ることができます。
持続年数も2年から5年と長くなるのが嬉しい特徴です。
塗料③ガラス系
防カビ撥水もちろん、汚れや傷なども防ぐことができる性能の高い塗料です。
さらにガラス系の塗料は耐熱、抗菌効果もあるため、他の二つの塗料と比較しても大きな差があります。
しかし硬度が高く施工が非常に難しいため、対応してくれる業者が少ないというのがデメリットです。
汚れを防ぎやすいものの、水垢には少し弱いのも特徴です。
浴槽のコーティングにかかる費用
浴槽塗装は保護と再生とでそれぞれ目的が違いますので、同じ塗装でも費用が変わってきます。
再生の方が下地の準備なども必要になるので、そうした費用も入ってきます。
再生コーティングにかかる費用
浴室を綺麗にするための再生塗装の価格は、おおよそ15万円から25万円前後の価格となります。
再生の場合は塗装だけではなく、古くなって傷んだ浴槽の小さな傷やヒビを補修し、吹き付けで塗料を塗り、乾燥させたのちに仕上げ作業が入ります。
状態によってはリフォームと比較してさほど金額に差がでないこともありますので、あまりに酷い様子なら両方を検討して見積もりを取ってみても良さそうです。
保護コーティングにかかる費用
保護塗装の場合の相場は2万円から5万円前後程度です。
価格は面積や浴槽の材質によっても変わってきます。
再生と比べて補修などの工程がなく、新しい浴槽にコーティングを塗って乾かすだけなので比較的すぐに終わります。
再生コーティングの特徴
大きな特徴は、傷や劣化などが目立つ古くて劣化した浴槽を、低コストで綺麗にできるという部分です。
使用する塗料も色がついているものを使用するため、ちょっと新しい色にしてみたいなどの気分転換で、別の色に変更することも可能です。
古くなってしまってそろそろ浴槽をどうにかしたいと考えていても、浴槽の入れ替え自体が難しいといった場合に低コストでも綺麗な仕上がりにすることが可能な方法です。
こうした塗装のデメリットとしては、劣化状態が酷いとバスタブの入れ替えと価格がほとんど変わらなくなってしまったり、場合によっては塗装対応ができなかったりしてしまいます。
せっかく見積もりを取っても、浴槽の交換とあまり価格が変わらないのであれば、思い切って入れ替えリフォームしてしまったほうが良い場合もあります。
さらに浴槽の塗装は高い技術が必要ですので、ステンレスのような塗装が難しい材質の場合は、施工できる業者は限られています。
浴槽の塗装を専門に扱っている業者でないと綺麗に仕上げられなかったり、適切な下地処理をせず直ぐに剥がれてしまったり、場合によっては施工自体断られてしまいます。
ちゃんと補修できる業者選びのポイント
浴室塗装を成功させるポイントは、ずばり業者選びです。
ここで失敗してしまうと、塗装剥がれや色むらなど問題点が発生してきます。
ここでは信頼できる業者を見極めるポイントを記載しておりますので、浴槽塗装を業者に依頼する予定の方は是非ご覧ください。
浴槽の剥がれを補修できる塗装リフォームとは?
保護コーティングの特徴
新しく導入した浴槽に保護コーティングを施すことにより数年間は汚れに強い状態を維持することが可能です。
浴槽に付着しやすい汚れは、皮脂汚れや石けんカスが多いです。
あらかじめ汚れに強い塗料を上から塗っておけば、浴槽に汚れがつきにくくなり、軽い清掃で汚れも落ちやすくなります。
保護コーティングのデメリットとしては、塗料によってカビの繁殖を完全に防ぐ事が出来なかったり、水垢がつきやすかったりといった特徴が出てくることです。
有機物が混ざっているフッ素系樹脂コーティングや、シリコン樹脂系コーティングは、ある程度カビから守ることはできても繁殖を防ぐことは難しいです。
ガラス塗料の場合は、カビの繁殖自体は防ぐ事は可能ですが水垢が付着しやすいというデメリットが存在します。
また、ガラス系塗料は非常に塗るのが難しく、価格も高額です。
その上対応できる業者自体少ないので、こうした不便さはデメリットに感じることがあります。
浴槽のコーティングにかかる期間
コーティングにかかる期間は、目的によっても違います。
同じ塗装だからといって同じくらいの期間を目算していると、浴室が使えない期間の対処ができなくなってしまいますので、わずかな違いですが把握しておきましょう。
目的別、コーティングにかかる期間
- 再生目的 2日から3日程度
- 保護目的 1日以内
目的も違いますので、工程も大きく異なります。
そのため、同じ塗装であったとしても必要な時間はこのように大きな違いがあります。
再生目的の場合、下地処理で補修作業をした上で、色付きの塗装をします。
塗装は3回に分けて行い、少しずつ塗り重ねて塗装表面をつるつるにしていきます。
塗装後は塗料を乾かす時間が必要で、乾燥後に仕上げの作業で磨いたり防水処理のコーキングを打って仕上げます。
乾く時間も材質によって変わってきます。
保護目的の場合、新品または比較的新しい浴槽に塗料を塗りますので、下地の補修などの処理は不要です。
塗装して乾燥させるだけですので、1日あれば十分です。
目的に合わせて適切な塗装を
浴槽の塗装は古くなったものを新しくするためのものと、新しい物をより長く綺麗な状態にするために守るものと種類があります。
新築の住宅であれ長く過ごした住宅であれ、塗装をすることでより快適にバスタイムを過ごせるようになります。
バスシステムデザイン研究所の浴槽塗装では、浴槽を新築のような綺麗な状態に復活させる高い技術を持っています。環境のためにも、入れ替えではなく今ある浴槽を大事にしたいと考えている方は、ぜひご検討ください。